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逆子と言われたら…鍼灸でできること

  • 執筆者の写真: 凛
  • 6月2日
  • 読了時間: 3分

~鍼灸師と助産師の視点からサポート~


逆子と診断された方へ

妊娠中に「逆子(骨盤位)」と診断され、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。妊娠後期までに、頭が下を向く「頭位」に戻る赤ちゃんも多いのですが、出産予定日近くまで逆子のままでいるのは、3~5%程度と言われています。


逆子のままでの経腟分娩は、分娩時の赤ちゃんの外傷や臍帯脱出などのリスクがあるため、現代では予定帝王切開が一般的な選択肢となっています。帝王切開は安全性の高い手術ですが、術後の体調管理や、次回の出産方法への影響など不安を感じる方も少なくありません。


骨盤位を改善するための選択肢


逆子を戻す方法として、以下のような選択肢があります。


・外回転術(医療行為):有効性はありますが、まれに合併症を伴うこともあり、日本では積極的に行われないこともあります。


・膝胸位の姿勢指導(逆子体操):お腹にスペースを作るための体操です。


・鍼灸治療:近年、自然で体にやさしい選択肢として注目されています。



鍼灸治による逆子ケアとは?


東洋医学では、「至陰(しいん)」という足の小指の外側にあるツボにお灸をすることで、胎児が自然に回転しやすくなるとされています。

現在のところ、かがぅ的なメカニズムは完全に解明されていませんが、いくつかの研究では以下のような効果が報告されています。


・灸を受けた群で、逆子が改善された割合が高かった(ZHANGら2013年 システマティックレビュー)


・鍼灸併用群で帝王切開率が下がった(Coyleら2012年 コクランレビュー)


また、鍼灸治療によって、子宮の緊張が緩む⇒子宮動脈・臍帯動脈の圧迫が軽減され血管抵抗指数(RI)が低下する⇒子宮が緩むこ⇒胎児も動きやすくなり胎動が増えるといったしくみです。また、至陰にお灸をすることで血中のアドレナリンが増加し子宮筋の緊張低下を支持するのではないかと考えられています。


・子宮やお腹の緊張がゆるみ、胎児が動きやすくなる


・血流が良くなり、お腹や足があたたかくなった


・胎動が増えたと感じる妊婦さんも多い


これらの反応が、胎児が頭位へ戻る助けになっているのかもしれません。


当院での逆子のケアの特徴


当院では、助産師資格を持つ鍼灸師が対応します。妊娠・出産・育児に対するご相談も安心してお話しください。


お勧めの開始時期:28週以降

研究によると、31週より前に治療を開始した方が頭位に戻る可能性が高いとされています。

週数が進んだとしても、逆子が戻らないことはありせん。けれども、可能性を高くするためにも、できるだけ早めに開始することが望ましいでしょう。


治療の頻度:週1~2回 程度

お体の状態に合わせて施術を進めていきますが、お産までの時間には限りがあります。そのため逆子の鍼灸は、施術間隔をある程度短くする必要があります。


セルフケアの指導あり:自宅でのお灸の方法もお伝えしています。一緒に取り組むことで、より一層の効果を引き出していきましょう。


【最後に...】


逆子とわかった時、「このままだと帝王切開になってしまうのかな...」と不安を抱える方は少なくありません。

そんな時こそ、体にやさしく、自分自身の力を引き出す鍼灸という選択肢を知っていただけたらと思います。「赤ちゃんが元気に生まれてくること」が何より大切。

そのために助産師でもある鍼灸師が、あなたの心と体に寄り添いながらサポートいたします。


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