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妊娠を望むあなたへ「鍼灸でできる妊活サポート」

  • 執筆者の写真: 凛
  • 6月4日
  • 読了時間: 4分

不妊症とは?】妊活の方にとって「いつからが不妊?」という疑問はよくあるもの。

世界保健機構( WHO)では2009年から「1年以上妊娠しない場合」と定義しています。但し、米国の生殖医学会では、2013年に「女性の年齢が35歳以上の方は半年を目安に早期に検査や治療をスタートすることもすすめられています。

早めに動き出すことが、妊娠への近道になることもあるのです。


時間は大切な資源-卵巣の予備機能と卵子の質

女性が生まれ持つ「卵子のもと(原子卵胞)」は生まれた時から数が決まっています。この数は増えることはなく、年齢とともに少しずつ減っていきます。

これを図る目安となるのがAMH(アンチミュラーリアンホルモン)。

AMHが低いからといって妊娠できないわけではありませんが、年齢とともに卵子に質が低下し、染色体のリスクも上がるため、早目の治療開始が勧められます。

そのため、妊娠を望む年齢になったら、早目の身体づくりをしておくことが理想的です。


不妊治療の流れ

不妊治療は大きく分けて以下のステップがあります。


・STEP1:タイミング療法

・STEP2:人工授精(AIH)

・STEP3:体外受精・顕微授精(IVF・ICSI)+胚移植


どの段階で妊娠できるかは人それぞれ。年齢や体質、ライフスタイルに合わせて、無理のない選択をしましょう。


鍼灸が妊活をサポートできることは何?

鍼灸は、直接的に妊娠を促す治療ではありませんが、妊娠しやすい体と心の土台作りにとても役立ちます。


西洋医学的視点からみた妊活

不妊に対する鍼灸の効果についてまだ一定の見解は得られていないのが現状です。しかし、基礎研究の結果からは、鍼治療が神経内分泌系や子宮・卵巣の血流動態、ストレスへの作用を介して妊娠するための力に影響を及ぼすと考えられています。


神経内分泌系の調節・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の無排卵➡規則的な排卵を生じたと報告されています。・卵胞液中のニューロペプチドYを増加させたことから、鍼通電療法が卵巣の機能や卵胞の発育、排卵の調節に影響を与える可能性があると示唆されています。


子宮と卵巣の血流動態・卵巣と子宮の適度な血流は妊娠とその維持に必須で、妊孕能の向上と関連する。子宮動脈の拍動指数(PI=血管抵抗)が高いとIVF・ET後の妊娠率の低下と関連すると言われている。Stener-Victorinらは、不妊女性の鍼通電治療が子宮動脈のPIを低下させたことから、鍼は子宮の血流動態に影響を及ぼしている可能性を指摘しています。・卵巣血流に関する動物の検討で、鍼通電療法が卵巣血流や卵巣の交感神経の調節にかかわることも示唆されています。


ストレス・不安・抑うつ・抑うつや不安はIVF-ET後の妊娠率と関係し、ストレスの軽減は妊孕能を高めるという報告があります。Isoyamaらは、ハミルトン不安評価尺度(HAS)が鍼治療群で優位に低下したことから、IVF-ETに伴う不安を軽減させるのに有効とされています。・鍼治療における採卵の疲労と混乱の低下・コルチゾールの低下・交感神経活動の低下などの報告もあり、複合的な効果がストレスを軽減させると考えられています。 (参考文献:鍼灸臨床最新科学 メカニズムとエビデンス 川喜田健司 矢野正 編集 医歯薬出版株式会社 2020年)


東洋医学的視点からみた妊活

東洋医学では、「腎・肝・脾」などのバランスが妊娠委深くかかわっていると考えられています。


腎虚(じんきょ):生殖エネルギーの不足。年齢や体力の低下と関係。

肝鬱(かんうつ):ストレスによる気血の滞り。イライラや不眠など

痰湿(たんしつ):体内に湿気が溜まって流れが悪くなる状態。肥満体質やだるさなど。

血瘀(けつお):血の流れが滞る。冷えや月経痛などと関連


それぞれの体質に合わせた施術を行うことで、本来の妊娠力を高めていきます。


(参考文献:レディース鍼灸 矢野 忠 編著 医歯薬出版 2018年)


当院の不妊鍼灸の特徴


当院では、妊娠を目指す方の「体と心」の両方に寄り添った施術を心がけています。

・月2~3回の施術+ご自宅でのセルフ灸のサポート

・不妊カウンセラーの資格を有する院長が悩みや不安をサポート

・体外受精の移植周期に合わせたタイミングケアにも対応

・助産師である院長が、妊活の先にある妊娠・産後・子育て・更年期など、女性の「元気な体作り」にも対応でき安心です。


現在は、メディカルパーク湘南・矢内原ウィメンズクリニック・山下湘南夢クリニック・湘南レディースクリニックなど近隣の不妊クリニックに通院されている方が、当院に来院されています。


最後に-鍼灸は妊娠だけを目的にしたものではありません。


妊活はとても繊細で、時に孤独になりやすいものです。でも、「赤ちゃんを授かる準備期間」として、心と体を見つめなおす大切な時間でもあります。


鍼灸があなたの心にそっと寄り添い、力になれることを願っています。

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