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妊活・不妊~鍼灸で整える「授かる体」

  • 執筆者の写真: 凛
  • 1月12日
  • 読了時間: 6分

更新日:2月23日


不妊症とは?】妊活の方にとって「いつからが不妊?」という疑問はよくあるもの。

世界保健機構( WHO)では2009年から「不妊とは、避妊をせずに1年以上妊娠しない状態」と定義しています。但し、米国の生殖医学会では、2013年に「女性の年齢が35歳以上の方は半年を目安に早期に検査や治療をスタートすることもすすめられています。

早めに動き出すことが、妊娠への近道になることもあるのです。


時間は大切な資源-卵巣の予備機能と卵子の質



女性が生まれ持つ「卵子のもと(原子卵胞)」は生まれた時から数が決まっています。この数は増えることはなく、年齢とともに少しずつ減っていきます。

これを図る目安となるのがAMH(アンチミュラーリアンホルモン)。

AMHが低いからといって妊娠できないわけではありませんが、年齢とともに卵子に質が低下し、染色体のリスクも上昇します。妊娠を望む年齢になったら、早目に対応していくことが大切になります。

不妊に対する鍼灸の効果についてまだ一定の見解は得られていないのが現状ですが、基礎研究の結果からは、鍼治療が神経内分泌系や子宮・卵巣の血流動態、ストレスへの作用を介して妊娠するための力に影響を及ぼすと考えられています。鍼灸で「授かる体」を作っていきましょう。


<妊娠に大切な3つの要素>

・ホルモンバランス

・卵巣・子宮の血流

・自律神経の安定




ホルモンバランス(神経内分泌系)


妊娠には、視床下部-下垂体-卵巣系と呼ばれるホルモン調節システムが正常に働くシステムが重要です。

・視床下部→GnRH分泌

・下垂体→FSH/LH分泌

・卵巣→エストロゲン・プロゲステロン分泌

この連携が乱れると

・排卵障害

・黄体機能不全

・月経不順

などは起こる可能性があります。


★鍼灸とホルモン分泌の研究

いくつかの研究では、鍼刺激が視床下部や自律神経系に作用し、ホルモン分泌に影響を与える可能性が示唆されています。

例:鍼刺激がβエンドルフィン分泌を促す

→視床下部に作用→GnRH分泌に作用


また、多能法制卵巣症候群(PCOS)に対する研究では

卵胞液中のニューロペプチドYを増加させたことから、鍼通電療法が卵巣の機能や卵胞の発育、排卵の調節に影響を与える可能性があると示唆されています。

✔排卵率の改善

✔月経周期の安定

(鍼灸は補完医療として活用できる可能性があります)



子宮と卵巣の血流動態


「妊娠には、卵巣及び子宮への十分な血流が重要であり、血流状態は卵胞発育や子宮内環境と関連すると考えられています。


妊娠の成立には

・卵胞の成熟

・排卵

・子宮内膜の肥厚

・受精卵の着床

といった一連の過程が必要です。


これらはいずれも十分な血流による酸素と栄養供給が不可欠です。

特に子宮内膜は、排卵後にプロゲステロンの作用で厚くなり、着床に適した環境を整えますが、この内膜形成には血流が大きく関与しています。


□子宮動脈血流と妊娠率


不妊治療の分野では、ドップラー超音波を用いて、“子宮動脈血流”を評価することがあります。

研究では、

・子宮動脈の拍動指数(RI)が高い

→子宮血流が低下している可能性

→IVF・ET後の妊娠率の低下と関連する可能性

が示唆されています。つまり、

「子宮血流が良好であることは、着床環境にとって重要な要素のひとつ」と考えられています。


□卵巣血流と卵胞発育


卵胞の発育にも血流は重要です。

卵胞周囲の血流が良好な場合、

・卵胞発育がスムーズ

・採卵成績が良好

という報告がされている研究もあります。

血流は卵巣内へのホルモンの供給にも関わります。


★鍼灸と骨盤内血流の研究


鍼灸の刺激は

・局所血流の増加

・一酸化窒素(NO)の産生促進

・血管拡張作用

を介して血流改善に寄与する可能性が示唆されています。

また、骨盤への鍼刺激後に

✔子宮動脈血流の改善

✔血抵抗の低下

を報告した研究もあります。


例)Stener-Victorinらは、不妊女性の鍼通電治療が子宮動脈のPIを低下させたことから、鍼は子宮の血流動態に影響を及ぼしている可能性を指摘しています。また、卵巣血流に関する動物の検討で、鍼通電療法が卵巣血流や卵巣の交感神経の調節にかかわることも示唆されています。

但し、すべての研究で一致した結果が出ているわけではなく、補完療法としての位置づけが現実的です。



自律神経の安定


「妊娠には、ホルモン調整機構(視床下部-下垂体-卵巣系)戸尻いつ神経の安定が重要とされています。」


◇自律神経と妊娠の関係


強いストレス状態では、交感神経が優位になります。

交感神経優位な状態では

・子宮血流の低下

・排卵障害

・着床環境の悪化

が起こる可能性があります。

ストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌は、生殖機能に影響することが知られています。


★鍼灸と自律神経の研究


心拍変動(HRV)を用いた研究では、鍼灸治療後に


✔副交感神経活動の増加

✔交感神経活動の低下

が報告されています。


これは、「リラックス反応」を示す客観的な指標です。


さらに体外受精(IVF)]前後に鍼灸を併用した研究では、

✔妊娠率向上の可能性

✔不安の軽減

が示唆された報告もあります。

(ただし、研究結果は一様ではないため、過度な断定はできません)


東洋医学的視点からみた妊活

東洋医学では、「腎・肝・脾」などのバランスが妊娠委深くかかわっていると考えられています。


腎虚(じんきょ):生殖エネルギーの不足。年齢や体力の低下と関係。

肝鬱(かんうつ):ストレスによる気血の滞り。イライラや不眠など

痰湿(たんしつ):体内に湿気が溜まって流れが悪くなる状態。肥満体質やだるさなど。

血瘀(けつお):血の流れが滞る。冷えや月経痛などと関連


それぞれの体質に合わせた施術を行うことで、本来の妊娠力を高めていきます。


(参考文献:レディース鍼灸 矢野 忠 編著 医歯薬出版 2018年)


当院の不妊鍼灸の特徴


月2~3回の施術+ご自宅でのセルフ灸のサポート

・不妊カウンセラーの資格を有する院長が悩みや不安をサポート

・体外受精の移植周期に合わせたタイミングケアにも対応

・女性専門


一人で悩みがちな妊活時期・・・鍼灸を通してあなたの心にそっと寄り添い、力になれることを願っています。


メディカルパーク湘南・矢内原ウィメンズクリニック・山下湘南夢クリニック・湘南レディースクリニックなど近隣の不妊クリニックや市外からも通院されている方も、当院をご利用なさっています。


最後に-鍼灸は妊娠だけを目的にしたものではありません。


妊活はとても繊細で、時に孤独になりやすいものです。でも、「赤ちゃんを授かる準備期間」として、心と体を見つめなおす大切な時間でもあります。

妊娠したあともマタニティ期・産後の子育て期・更年期・老年期と人生は続いていきます。

それぞれのライフステージをより自分らしく生き生きと過ごせるように・・・鍼灸を通して皆様の心と体をより良い状態でいられるように支えていきます。



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