目・口が乾く...それ「シェーグレン症候群」かもしれません。
- 凛鍼灸院
- 5月22日
- 読了時間: 3分
更新日:5 日前
「最近、目が乾いてゴロゴロする」「口がいつもカラカラで話がしづらい」
そんなお悩み、ただのドライアイ・ドライマウスだと思っていませんか?
実はそれ、「シェーグレン症候群という病気が関係している可能性があります。
◇シェーグレン症候群は、自己免疫疾患のひとつです。
本来自分を守る免疫が、涙腺や唾液腺などの分泌腺を攻撃してしまい、“目や口の乾燥(ドライアイ・ドライマウス)”が主な症状として現れます。
中高年の女性に多く、関節痛や疲労感を伴うことも。リウマチや膠原病を合併する場合もあります。
◇鍼灸でできること~ドライアイ・ドライマウスの緩和に~
東洋医学では、全身の「気・血・水」のバランスを整えることで、症状改善を目指します。
最近の研究では、鍼灸がシェーグレン症候群による乾燥症状に対して、以下のような効果が期待できることが報告されています。
*研究で報告されている主な効果
・涙や唾液の分泌量が増加
・目や口の乾燥感が軽減
・生活の資(QOL)が改善
・血流促進や神経伝達物質(VIP・CGRPなど)による作用
(VIP:涙や唾液の分泌を促す・血管を広げて血流をよくする・リラックスさせる)
(CGRP:血管を広げて血流を促す・唾液や涙の分泌に関与・痛みや炎症の調整にも関
与)
中でも「鍼通電療法(電気を流す鍼)では、涙腺や唾液腺に関連する神経に刺激を与え、副交感神経の働きを高めることが確認されています。
◇どんな鍼灸治療が行われているの?
シェーグレン症候群の鍼灸では、以下のような部位へのアプローチが中心になります。
・耳下腺や顎下腺の周りのツボ(顔面神経に関連)
・副交感神経を調整する手足のツボ
電気を流すパルス鍼or置鍼お灸など併用することがあります。
◇鍼灸の研究例を紹介
いくつかの臨床研究から、興味深い結果が出ています。
*Blomら(1999)
シェーグレン症候群患者22名に対して鍼灸治療を行ったところ、約70%の患者に唾液分泌量の増加がみられました。
*Leeら(2011)
複数の研究を分析したレビューでは、ドライアイの症状の改善に鍼灸が一定の効果があると報告されています。
*CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)やVIP(朝刊ペプチド)といった神経伝達物質の分泌量が、鍼灸後の増加することが報告されています(涙や唾液の分泌に関与)
◇まとめ
シェーグレン症候群は、日常生活にじわじわと影響する病気です。
乾燥感の不快さに悩まされるだけでなく、放っておくと目や口の炎症、虫歯、感染症など引き起こすこともあります。
西洋医学の治療と合わせて、鍼灸というやさしい選択肢も、ぜひ知っておいて欲しいのです。
「目や口が乾くな...」と感じたら、我慢せずにご相談ください。