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プレコンセプションケアとは…未来の“幸せな私”を支えるケア

  • 執筆者の写真: 凛鍼灸院
    凛鍼灸院
  • 6月15日
  • 読了時間: 2分

更新日:7 日前

先日参加した「日本不妊カウンセラー学会」のシンポジウムで心に深く残った講演がありました。テーマは、「心理士から見たプレコンセプションケア」。

その中で繰り返し語られていたのは、“たとえ児を得ることが叶わなくても、自分の人生を

「まあまあ幸せだったな」「自分なりにやってこれた」思えるように支えることが大切だというメッセージでした。

これはエリクソン(アメリカの心理学者)が提唱した「生殖性」に通じるものがあります。次世代にを育てることは、必ずしも「子育て」という形だけでなく、社会とのつながりや自分らしい人生の意義を見出していくことも含まれています。これは、まさに東洋医学の「人を丸ごと見る」思想に重なると私は感じました。


東洋医学は「結果」ではなく「流れ」に目を向ける


東洋医学では、「今、ここにある体と心の状態」からその人の自然な流れ(気・血・水の巡り)を整えていく考えがあります。

不妊治療も、“妊娠というゴールに向かって一直線に進む”のではなく、時に立ち止まり、自分の心と体の声に耳を傾けていく時間が必要です。


例えば、生理不順や冷え、イライラ、不安感といった症状は、身体からの「メッセージ」です。鍼灸では、経絡の流れを整え、体の中の滞りや偏りをやわらげることで、自律神経やホルモンのバランスの安定を図ります。

その中で、患者さん自身が“自分の体や心”を感じていくことが大切だと思っています。


プレコンセプションケアは「未来の自分への養生」


学会では、プレコンセプションケアを「未来の妊娠のための準備」と狭くとらえるのではなく、「たとえ子供を授かるかどうかにかかわらず、未来の自分が納得できる人生を送れるように支えること」として捉え直すことが提案されていました。


これはまさに、東洋医学の「未病を治す(病になる前に整える)」という予防的な養生とのつながりを感じます。

日々の疲れやストレス、生理の乱れなど放っておかず、体と心を“中庸”に保ち、自分らしいリズムで生きることが、未来の健康や幸せにつながっている気がします。


鍼灸師としてできること~“まあまあ幸せだった”と思える人生のために


鍼灸におけるプレコンセプションケアとは、親になるかどうかに関係なく「未来の自分に納得できるよう整えていくケア」と捉えて、患者様に寄り添っていきたいと思います。



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