ベトナムで見つけた、“食べる養生”~ハノイのやさしいごはん~
- 凛鍼灸院
- 4月21日
- 読了時間: 3分
更新日:5月14日
ベトナム・ハノイを旅して感じたのは、食のやさしさと香りの豊かさ。
ふんだんに使われるハーブや、体をあたためるスパイス、新鮮な食材。
それらが自然と体を内側から整えてくれることに気がつきました。
今回は、ハノイで出会ったベトナム料理と東洋医学の視点を重ねてご紹介します。
【1.朝の胃腸をやさしく整える「フォー」】
ハノイの朝食といえばフォー。
米麺で消化にやさしく、スープはあたたかくて深い味わいです。ネギやショウガが体を温め、パクチーやミントの香りで気の巡りを良くしてくれます。
*養生ポイント:朝食に温かいスープをいただくことは、東洋医学でもとても大切にされています。一日のはじまりに、胃腸をやさしく目覚めさせるフォーは、まさに“朝の養生食”ですね。
【2.五味と香りで巡りを整える「ブンチャー」】
・炭火で焼かれた香ばしい豚肉にたっぷりの香草と米麺を合わせて、甘酢っぱいたれで頂くブンチャー。
揚げ物より軽く、生の野菜と火の通った肉のバランスも絶妙でした。
*養生ポイント:東洋医学では、五味(酸・苦・甘・辛・鹹<塩辛い>)をバランスよく摂ることが、身体の調和を保つと言われています。
ブンチャーには、香り・味・温度のバランスがそろっていて、自然と気の巡りが整う一品でした。
【3.香ばしく焼き上げた薄焼きの恵み「バインセオ」】
・米粉の記事を薄く焼いて、もやし、エビ、豚肉などを包んだ料理のバインセオ。香ばしくパリッと焼かれた皮とシャキシャキのもやしの食感のコントラストが楽しく、香草と一緒に頂くことでさっぱりとした味わいに。
*養生ポイント
米粉や豆などの穀物は、胃腸を整える「脾」を元気にする食材。
また、野菜やハーブと一緒に包んで食べることで、油を使った料理でも重く感じにくくなり、気血の巡りを促す組み合わせになります。
そとの仮意図した食感と中のジューシーさのバランスが、「陰陽の調和」を感じさせる一品でした。
【4.野菜とタンパク質の調和「生春巻き」】
・米の皮に包まれた野菜、エビ、ハーブ。
一口でいろんな味や香りが広がり、見た目の美しく、食べるたびに気分あがる感じでした。
*養生のポイント
季節の野菜やハーブを生で摂ることは、“気”や“血”の流れをスムーズにする養生法の一つ。五感で楽しむ食事は、自律神経を整えることにつながります。
【5.甘味でこころをゆるめる「ココナッツこーひー」】
観光の合間に訪れたCONGカフェで飲んだココナッツコーヒー。自然な甘さで体の熱がスーッと引いていくような。感じでした。ココナッツの風味が何とも言えない絶品の一杯。
*養生ポイント
甘未には「気」や「潤い」を補う作用があります。疲れを感じたときには、優しい甘さが心と体の養生になることもあります。但し、摂りすぎにはご注意を!
【6.元気のスイッチを入れる「エッグコーヒー」】
卵黄と練乳、そしてコーヒー。
一見意外な組み合わせだけれど、濃厚でクリーミーなのに後味が軽く、不思議と元気が湧いてくる味でした。
*養生ポイント
卵は“血”や“精”を補う食材として、コーヒーは気を巡らせ、覚醒を促す働きも。
朝やお昼のひと時に、集中力を高めたいときにぴったりの養生ドリンクかもしれません。
旅が教えてくれた「食べる養生」
ベトナム料理は、どれもやさしくて、香り高くて、自然い身体が喜んでいるのを感じました。
「何を食べるのか」だけでなく、「どんな気持ちで食べるのか」「どんな香りを感じるか」...
それも養生のひとつなのだと改めて気づかされた旅でした。
日本に帰ってきてからも、朝のスープやハーブの香りを取り入れながら、日々の暮らしに“整える食事”を意識して過ごすようにしています。
皆さんもぜひ、日常の中にベトナムの“やさしい養生”を取り入れてみてくださいね。